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by exsaito5
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ということで蓄音機

前回の書き込みで蓄音機を買いそうなと書いたけどやはりそうなってしまった。ヤフオクとかebayとかでとりあえずのを探しまくって入札も何回かしたけど落とせなくて、結局、イギリスのebayであやしい個人から買うことになった。だいたいオレがネットで買う相手はいつもあやしい。でも今までサギにあったことはない。必ずポチっとした品物は手元に届いている(程度の差こそあれ)。

今回買ったのは蓄音機のトップブランドHMVのだ。His Master's Voiceの略で、写真にも見えるとおり、白い犬が蓄音機のラッパ型スピーカに耳を傾けている絵で有名なあれだ。Hisとは「犬の」、ってことで、Master's ってのは「飼い主の」ってことで、つまり、この絵にこめられた意味は、いなくなった飼い主の声が蓄音機から聞こえて来て懐かしいな、という単なる犬の絵である。この絵を描いた人は蓄音機メーカーにかたっぱしから売り込みをはかり、HMVの正式会社名Gramophone社(グラモフォン社)にやっとこさ商標として買い取ってもらったそうだ。

b0049638_1054632.jpgHMVの犬の絵は日本やアメリカではビクターというブランドで使われている。日本でHMVというとレコードショップ、というかでっかいCD屋さんという方がわかりやすいかも?イギリスの元蓄音機メーカーが大手CDショップとして世界展開しているわけだ。しかしついひと月くらい前、日本のHMVはCD販売から手を引いていくような記事が出ていた。蓄音機が売れなくなり、レコードが売れなくなり、CDがだんだん売れなくなり、と、HMVはほんと数十年おきに苦境に立たされていてかわいそうでもある。会社を100年続かせるのは至難の技なんだな。HMVもビクターもだいたい1930年代くらいが全盛期のようだ。

オレが今回買ったのはHMV101型という1927年くらいに製造されたものだ。80年前ってとこか。オレの家についたときはボロボロだった。これで1万4千円は高くないか?って感じだった。送料が1万6千円だから3万円の品物といってもいいだろう。でも狙って買ったからしょうがない。日本のヤフオクでは同じタイプが5,6万円の値をつけて売りに出されてる。外装を補修し、駆動機を分解して石油で洗いグリスを新たに塗布した。ただ、ぜんまいだけはばらせなかった。開放するねじが見つかなかったし、そもそも蓄音機のぜんまいは強力で、ばらしに失敗するとハガネが飛び出して顔や手を切ることもある危険なシロモノらしい。すきまからグリスを噴射してお茶をにごすことにした。

さて、ぜんまいをいっぱいに、だいたい50回くらい巻き、78回転のSPレコードをプラッターに置く。で、針を置く。動かん。指で勢いをつける。音が聞こえた。で、すぐ回転が落ちて止まってしまう。針が重いのか?針圧を調理用はかりで量ったら170gもあった。DJ用テクニクスのターンテーブルで使う針は針圧2.5gとかだ。しかも蓄音機の針はミサイルのようなとがった鉄で、それがレコードに突き刺さる感じで止まってしまう。

針の角度を少し斜めにした。斜めがデフォルト位置らしい。オレのとこに着いた時は垂直だった。レコードも洗剤でごしごし洗った。これで少し摩擦が減ったようで、だんだん回りだした。古いレコードは溝が乱雑に削れてしまっていたり、ゴミが付着していたりで抵抗が大きいらしい。新し目のレコードの方が回りがいい。古いレコードもぜんまいを常にいっぱいに巻きながら、つまりプレイしながらぜんまいも巻きつつ、という作業をすると最後まで78回転でまわるようになった。鉄針の先端はすぐ削れるようになっていて普通は一回で交換する。針が削れることでレコードを守っている。鉄針は一本10円とかだ。

で、音だが、でかい!とにかくでかい!考えてみたらボリュームのつまみが無い。常に最大音量ってことだ。隣家に聴こえないようスピーカー開口部にタオルを詰め込み、その出し入れでボリューム代わりにしよとしたがあまり変わらなかった。まず鉄針が振動し、それが円形のサウンドボックス(写真の黒い円形のもの)に張ってある、雲母という鉱石からとった透明板(透明プラスティック状)を震わせ、その音波がアーム兼用の金属管を通って、蓄音機内部を通り、ぐるっと回ってスピーカー開口部から出てくる。しかしスピーカーから音が出る前に、サウンドボックスそのものからでかい音が出る。音のでかさからすると犬がスピーカーに耳を近づける絵はウソだろ?って感じだ。

で、ピアノ音とかはいいのだが、強音という振動の大きいベース的な音のところではこの雲母板がビビル。ビビって音がつぶれて、全く繊細さに欠けたがさつな音を発する。どうやら、SPレコードには録音方式に二種類あるらしく、機械録音と電気録音があり、オレの101型蓄音機は機械録音時代のレコード向けらしいのだ。電気録音時代のものは音圧が高すぎるようだ。機械録音とは、歌手がラッパの開口部に向かって歌って、音波を逆流させ、針を振動させ、ロウや化学薬品などを塗ったレコードの原盤に溝を刻んでいく方式らしい。これのほうが溝の振幅が小さい繊細なレコートができるようで、オレの蓄音機はこっちに向いているみたいだ。

なにはともあれ、音が鳴ってよかった。ホッ
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by exsaito5 | 2007-04-01 10:46 | 雑記