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by exsaito5
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坂東玉三郎の言葉

2009年3月7日、中国の蘇州日報に坂東玉三郎のインタビューが掲載された。
中国の伝統舞踊、昆劇を彼が踊る少し前に、蘇州大学の学生を前にした講演をした時のインタビューである。

以下、蘇州日報より引用

(前略)

「今まで自分は成功したと思ったことがなく、私はとても恥ずかしがり屋です。」

坂東玉三郎は言う。

「自分は成功を獲得するために舞台に上がるのではなく、舞台上の鮮やかな衣裳やイメージが好きなわけでもなく、なぜ舞台に上がるのかと言うと、観客のみなさんの前で演じる時の、自我を忘れる感覚を求めてのことなのです。もし常に自分が出て来るなら駄目です。」



それは、彼のような内向的な性格にとってなお更難しいことだろう。


「実は私はそんなに自分を理解しておらず、一体自分はどんな人間なのであろうといつも思っていて、人からの褒め言葉を耳にしても本当なのかどうかをいつも疑ってしまいます。」


自分をよく理解していないという坂東玉三郎だが、彼は自分に明確な位置づけを与えてはいる。


「一人の俳優であり、何らかの大物でも芸術家でもなく、芸術の完璧さの追求には終りがなく、最大の成功は、公演が終わって大きな幕が降りた瞬間、場内の観客の顔に満足の表情が見える時です。」

(引用終わり)





赤い字にしたところに私は注目した。


「自我を忘れるために舞台に上がっている・・・」



前にフィギュアスケートの安藤美姫の言葉を載せた。

「私には悲しかったり、うれしかったり複雑な感情があって、それが勝手に演技に出てくる・・・・」


凡人の私には難しい境地なのだが、どちらも、自分がどう見えるか、見られるか、かっこよく見せるにはどう動こうか、などの境地を脱している忘我の状態なのだと思う。


この境地に至るにはとんでもない練習、努力、準備があるのだろう。
by exsaito5 | 2009-07-22 19:35 | Dance